バイオスフィア2

バイオスフィア2はアメリカ合衆国アリゾナ州オラクルに建設された、巨大密閉空間の中の人口生態系のことである。名称の意味は「第二の生物圏」である。建設の目的は人類が宇宙空間に移住する場合、閉鎖された狭い生態系の中で果たして生存できるのか検証することであった。また「バイオスフィア1」すなわち地球の環境問題について研究することでもあった。

バイオスフィア2は砂漠の中にそびえ立つガラス張りの巨大な空間に熱帯雨林・海・湿地帯・サバンナなどの環境お世界各地から持ち込んだ動植物で再現している。日光によって空気が膨張し気圧が変化するのを防ぐために巨大な空調施設が設けられた。建物の面積は1.27ヘクタール。最後部の高さは28mありこの種の施設としては最大のものである。

実験はこの中で農耕・牧畜を行い食料と水分、そして酸素を自給自足することを目的としていた。

実験は2年交代で科学者8名が閉鎖空間に滞在し、100年間継続される予定であったが実際には最初の2年間で途切れてしまった。第1回目のミッションで実験生活を行ったのはアビゲール・アリー、ロイ・ウォルフォード、ジェーン・ポインター、リンダ・レイ、マーク・ネルソン、サリー・シルバーストーン、マーク・バンツオット、ターバー・マッカラムの8名(男4人・女4人)であった。

150億円を資産家たちらが当時て建設されたバイオスフィア2であったが、酸素不足・二酸化炭素・食料不足・心理的側面等の問題を解決できずに終わっている。このことは生態系を模倣することが、いかに難しいかということを物語っている。

現在のバイオスフィア2では見学者を積極的に受け入れている(有料)。解説付きのツアーでレインフォレスト、地下の機械施設、圧力調節ドーム、居住棟を見ることができる。

ジェーン・ポインターがバイオスフィア2での2年間と20分の生活について語っています。この経験から彼女は非常に過酷な環境で生命がどうすれば生き残れるかを探ることになりました。これは南カリフォルニア大学で行われたTED Talkを収録したものです。

 

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TED Idea worth spreading